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京都大学大学院法学研究科・曽我部真裕(憲法・情報法)のページです。

訴訟に関する意見書

                          (2019年3月23日更新)

研究成果の実務への還元、あるいは現実問題を研究上の問題意識に反映するため、意見書の作成にも取り組んでいます。

 

■ 個人情報開示請求事件(最一小判2019年3月18日)

 原告が、個人情報開示請求権(個人情報保護法28条)に基づき、亡母が被告(銀行)に提出していた印鑑届出書の写しの交付を請求した事案。地裁(岡山地判2016年10月26日)は棄却、高裁(広島高岡山支判2017年8月17日)は認容であった。最高裁は被告による上告受理申立てを認め、2019年2月4日に口頭弁論を開いた。

最高裁第一小法廷は、3月18日、「 相続財産についての情報は、被相続人の生前に個人情報保護法2条1項にいう『個人に関する情報』に当たるものであったとしても,直ちに相続人等の『個人に関する情報』に当たるとはいえない」という判示事項の判決を行った。 

 

■ タトゥー彫師医師法違反事件(大阪高判2018年11月14日)

タトゥー施術が「医業」に該当するとして、医師免許なくしてタトゥースタジオの営業を行った被告人が医師法違反で訴追された事案。

(公表版)曽我部真裕「医師法17条による医業独占規制と憲法 タトゥー彫師訴追事件に即した検討」『比較憲法学の現状と展望(初宿正典先生古稀祝賀論文集)』(成文堂、2018年)749-767頁 

 

■ 名誉毀損事件(東京高判2017年11月22日判時2384号30頁)

大手スーパー産地偽装米販売問題を取り上げた週刊誌記事の名誉毀損責任が争われた事案。1審判決(東京地判2016年12月16日判時 2384号39頁)は約2500万円という高額賠償を命じていた。

 

■ 名誉毀損検索結果削除請求事件(東京高決2017年10月30日ほか)

名誉毀損に当たる書き込みに関する検索結果の削除義務の存否が争われた事案。上記決定は削除を認めた。ほかの事件でも同じ意見書が提出されており、東京地判2019年2月27日は削除を否定している。

 

■ プライバシー侵害検索結果削除請求事件(最三小決2017年1月31日民集71巻1号63頁)

児童買春を理由に逮捕された等の書き込みに関する検索結果の削除義務の存否が争われた事案。

 

■ ろくでなし子事件(東京地判2016年5月9日、東京高判2017年4月13日)

自身の女性器を象ったオブジェや、女性器の3Dスキャンデータがわいせつであるとしてわいせつ物公然陳列罪及びわいせつ電磁的記録頒布罪の成否が争われた事案。

(公表版)曽我部真裕 「『ろくでなし子』事件とわいせつ表現規制樋口陽一中島徹、長谷部恭男(編)『憲法の尊厳 奥平憲法学の継承と展開』(日本評論社、2017年) 215ー235頁