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Bienvenue sur le blog de masahiro sogabe

京都大学大学院法学研究科・曽我部真裕(憲法・情報法)のページです。

3大学合同ゼミ@同志社大学

 

【ゼミの模様レポート第2弾は、先日行われた合同ゼミについて、4回生のF君に書いてもらいました。】

 遅くなりましたが、6月12日(土)午後に同志社大学で開催されました、九州大学(赤坂ゼミ)、同志社大学(尾方ゼミ)との合同ゼミの様子についてお届けします。


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 今回の課題は、「朝鮮学校がいわゆる高校無償化の対象から除外されている問題(以下、本件除外と記す)につき、朝鮮学校側が行いうる憲法上の主張を整理し、どう評価すべきか論ずる」というものです。各大学のゼミが議題につき調べたことや考えたこと、評価につき発表し、それについて他の参加者が質問し応答するという形式がとられました。

 トップバッターは尾方ゼミ1班です。ここでは、日本に居住する日本国籍保持者と朝鮮学校に通う生徒及び保護者の生活形態は変わるところがなく、彼ら彼女らが日本国籍を有していないとしても、憲法14条における「国民」に保障される権利、すなわち日本国籍保持者同等の権利が最大限保障されうるとしました。
一方、26条における「普通教育を受ける権利」については、朝鮮学校における教育内容は中立性を欠く政治的教育や個人崇拝を含むことから、朝鮮学校において教育を受ける権利は普通教育を受ける権利に該当せず、26条に基づく権利主張を朝鮮学校側はできないとしました。また、13条より導きだせうる民族教育を受ける権利についても、本件除外は直接的に民族教育を受ける機会を剥奪するものではなく、13条にもとづく権利主張もできないとしました。
 尾方ゼミ1班に対する質問としては、そもそも本件除外は政治的教育が原因なのか、という質問や、高校無償化の主体はどこで、何が違憲なのか、という質問がありました。

 お次は赤坂ゼミです。ここでは、まず朝鮮学校が訴えの利益を有するとして、無償化法による就学支援金受給資格の地位確認訴訟、これに付随して、本件除外は在日朝鮮人に対する人種差別であるとして、人種差別撤廃条約違反による国家の不法行為に対する賠償請求が可能であるとしました。
 その上で、もともと本件除外は無償化法による無償化法施行規則への委任において、当該規則の改正により生じたものであるところ、当該改正は無償化法の委任範囲を逸脱していること、並びに在日朝鮮人にも享受主体性が認められる憲法上の平等権、教育を受ける権利につき衡量不尽であるとして、本件における裁量権行使に瑕疵が認められるとしました。
 赤坂ゼミに対する質問としては、無償化は朝鮮学校の財政的な統制を行政がとれていないなか、89条の禁ずる公金支出にあたり、同条の趣旨に反するのではないか、という質問や、憲法上の権利主体とされる在日朝鮮人についても、特別永住者資格の有無、国籍の有無が各々異なるが、その区分につき検討したか、という質問がありました。

 3番目は曽我部ゼミです。わたしたちは、はじめに文科省が無償化法施行規則において、その教育内容及び外交問題を理由として朝鮮学校を受給の対象から除外したことは、26条1項の具体化立法である高校無償化の委任の範囲から逸脱し、違法もしくは違憲ではないかと主張しました。また、他の外国人学校がほぼ無償化の対象となったのにもかかわらず、朝鮮人のみが民族教育を受ける権利を侵害されていることは、14条1項の規程に反する差別であり、違法もしくは違憲ではないかと主張しました。
 曽我部ゼミに対する質問としては、無償化の恩恵を受けるのは生徒とその保護者であり、その権利を学校が代わりに主張することができるのか、という質問や、無償化法による委任の範囲の判断基準において、どのような人権を制約し、どの程度まで制約を可とするか、という質問がありました。


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 最後は尾方ゼミ2班です。ここでは、まず憲法上の人権享有主体性につき、在日朝鮮人のなかでも特別永住者については、日本国民と全く同じような権利が保障されるべきであるとしました。次に、民族教育を受ける権利が、13条および26条で公費助成をうける権利として保障されるべきであるとしました。
 続けて、改正により本件除外におよんだ無償化法施行規則は教育の機会均等という無償化法の目的に照らせば、その委任の趣旨に反し違法であること、当該区別には合理的な正当化理由がなく、不合理な差別であって14条1項に反し違憲であるとしました。
 尾方ゼミ2班に対する質問としては、そもそも民族教育を受ける権利を持ち出してくる理由はなにか、という質問や、公費助成は教育を受ける権利の一部である、ということは、 そのなか(教育を受ける権利内)でも核ということか 、という質問がありました。

 最後は先生方から講評をいただきました。形式面では時間の過不足に注意すること、一般論を引きずることなく、何が論点かをはっきりさせるべきだ、といった指摘をいただきました。内容面では、よかった点として学部らしく、法律の.に限らず様々な分野の話題を拾えていること、改善すべき点として、民族教育は憲法的論点から離れており、あまりこれに執着すべきでなかったこと、行政裁量につき論ずるのであれば、あくまで給付行政裁量について論ずべきこと等が挙げられました。

 その後は懇親会です。普段の曽我部ゼミにも増して華やかなゼミとなり、その懇親会では躍動感みなぎるゼミ生の意外な姿が伺えました。個人的にも懐かしい話がはずむなど、前期ゼミの中でも大きなイベントであったと感じます。2次会では、曽我部ゼミ生の出席率が高く、呑むことと話すことが好きな人が集まっておることを実感しました。幹事としてうれしい限りです。

 最後にこの場を借りて、今回の合同ゼミを企画してくださった尾形先生、赤坂先生、当日の進行を担当してくださった大学院生の先輩方、当日の会場設営と茶菓の提供をしてくださった尾方ゼミ生のみなさま、早朝から遠方よりお越しいただいた赤坂ゼミ生のみなさまに御礼申し上げます。