山元一・只野雅人(編訳)『フランス憲政学の動向 法と政治の間』
山元一・只野雅人(編訳)『フランス憲政学の動向 法と政治の間』(慶応義塾大学出版会)
【出版社サイト紹介文より】
憲法学の法律学化に異議を唱え、「法と政治というものは不可分」という基本認識のもと、その学問的視野に「政治」を収める意義や必要性を説く。フランス憲法学における第一線の研究を紹介!
目次
まえがき――憲法学の「法律学化」と「政治学的傾向」をこえて? (樋口陽一)
日本語版へのはしがき (アルメル・ル・ディヴェレック)
解題Ⅰ 現代フランス憲法学にとっての「政治法」の意義 (山元 一)
解題Ⅱ 現代フランス統治構造論と「政治法」 (只野雅人)
第Ⅰ部 「政治法」とは何か
第1章 『政治法』創刊のことば (山元 一訳)
第2章 法学と政治学 (フィリップ・レイノー/新井 誠訳)
第3章 立憲主義の現況
――法による民主主義という観念に関する若干の考察
(ジャン=マリー・ダンカン/井上武史訳)
第4章 「政治法」についての考察 (クリストフ・グズィ/山元 一訳)
第5章 承認と否認――政治法の理論に関する一考察
(カルロス=ミゲル・ピマンテル/曽我部真裕訳)
第Ⅱ部 フランス憲政学の基礎理論
第1章 「憲法の罠」――憲法史と憲法学 (ドゥニ・バランジェ/奥村公輔訳)
第2章 主権の後,主観的権利はどうなるか? (カトリーヌ・コリオ=テレーヌ/大藤紀子訳)
第3章 フランスにおける憲法概念の歴史――政治的憲法から国家の法的地位としての憲
法へ (オリヴィエ・ボー/南野 森訳)
第4章 フランスにおけるいくつかの憲法問題に憲法習律(convention de la constitution)の
観念を適用すること (ピエール・アヴリル/徳永貴志訳)
第Ⅲ部 統治と人権
第1章 混乱した憲法秩序――名状しがたい,不安定なフランス憲法
(アルメル・ル・ディヴェレック/只野雅人訳)
第2章 フランスにおける憲法裁判のモデルと捉え方――批判的総括
(オリヴィエ・ジュアンジャン/山元 一・池田晴奈訳)
第3章 「公的自由」から「基本権」へ――名称の変化の効果と争点
(ヴェロニク・シャンペイユ=デスプラ/佐々木くみ訳)
第4章 公的自由の制限を可能にする新たな技術
――スペクタクルの社会における自由の保護について
(パトリック・ヴァクスマン/中島 宏訳)